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工事設計の認証ってなんですか?技術基準適合証明とは?

電波は貴重で限りある大切な資源です。日本国内においては電波を発するすべての装置は総務省の管理する「無線局」という扱いになります。原則として総務大臣に申請して無線局の免許状を交付された上で無線従事者が操作する必要がありますが、それではあまりに不便ということで空中線電力が10mW以下の小規模な無線局は「特定小電力無線局」というカテゴリーとして扱われ総務省の定める「技術基準に適合」したものであれば誰でも自由に利用することができます。サイレントのSS-1はこの特定小電力無線局ですのでSS-1を利用する際には申請も免許も必要ありません。それはSS-1が総務省の定める技術基準に適合している事がきちんと証明されているからなのです。この証明により皆さんには「安心」してSS-1を利用して頂けるようになりました。

技術基準に適合している事を証明してもらうためには様々なハードルがあります。認証機関に工事設計書を提出して書類審査を受けた後に実際にSS-1を持ち込んで発射される電波の質を厳しく測定します。またユニークな呼出符号が自動的に送出されるか?他の通信に妨害を与えない機能を備えているか?容易に開ける事が出来ない構造か?などの様々な項目の検査を経て最終的に「技術基準適合証明」が交付されてユーザーが利用可能になります。この技術適合証明を受けないで電波を発射すると電波法違反となり1年以下の懲役または100万円の罰金が科せられる可能性があります。技術基準適合証明を受けていないモジュールを利用すると販売したメーカーではなく利用したユーザーが罪に問われてしまいますので製品に以下の技適マークがついているか確認してから使用を開始する事をお勧めします。



技術基準に適合している事を証明してもらうためには認証機関にSS-1を持ち込んで検査してもらうのが原則です。しかし工事設計を認証機関に提出して審査にパスすればその後の量産品に対する検査が省略されます。これは大変厳しい審査になりますが、モジュールを大幅にコストダウンできるのでサイレントはこの難関の「工事設計の認証」を取得した上でSS-1を出荷します。2.4GHzの特定小電力無線局を使用するには技術基準適合証明もしくは工事設計の認証を取得する事が条件になります。くれぐれも認証の無い違法品をお使いにならないようにお願いします。

こうした電波法の規制は大変厳しいものなのですが結果的に混雑している2.4GHz帯の電波をより多くの人が有効に利用できるようにするための規制ですのでユーザーにとっては大変メリットのある法律だと思います。またサイレント社内では認証を受ける前の開発段階では電波を閉じ込める環境を利用して外部に余分な電波を出さないようにしています。3mの距離で測定して35μV/m以下の電界強度であれば「著しく微弱な無線設備」というカテゴリに分類されるので一切の免許や認証は不要で自由に利用できます。このレベルの電波ですと数メートル程度しか届きませんので通信実験はできますが他の通信に影響を与えません。

室内に多数のSS-1を設置する場合においては、2.4GHz帯の電波は照明と同じだというイメージをもつ事で室内での到達距離をより長くする事が出来ます。例えば中継用のSS-1は中継される二つのユニットの双方が見渡せる(光が届く)ように配置を工夫すれば、より遠距離まで利用可能になります。またSS-1は受信する信号の強度が強ければ送信出力を低下させて電力の消費を押さえる機能が内蔵されていますので電池の持ちも良くなります。

SS-1にはスペクトラムアナライザ機能と簡易電界強度計機能が内蔵されていますのでSSIO-1に取り付けてターミナルを接続すれば2.4GHz内の電波の利用状況をモニターできます。特にWiFiと共存させる場合にはWiFiがどのバンドを利用しているか調べた上でSS-1が利用する周波数を設定するとお互いに全く干渉することなく共存が可能になります。Bluetoothは周波数が頻繁に変化しますのでSS-1のアナライザでは検出できません。逆に言えばBluetoothとSS-1はお互いに殆ど干渉しないと言えます。またSS-1を利用して電子レンジなどの他の電波の利用状況を調べておけばWiFi通信の安定性向上にも役立ちます。

サイレントは電波法を遵守したモジュールを提供することで誰でもが安心して使えるワイヤレスネットワークを構成するお手伝いしたいと考えています。